ハンドメイドルアーのトップコートの一つに、2液性のエポキシを使う方法があります。
私自身、自作クランクのトップコートで、9割方はエポキシを使用しています。
これまで数社のエポキシを使用、検証しましたが、初心者の方は『コニシ ボンドEセット 90分硬化型』が安くて、強度もあるのでオススメです。
ただし、この『ボンドEセット』、下手をすると硬化不良を起こします。
私も使い始めたときは、何度も失敗しました。
何日経っても表面が「ベタベタ」or「ペタペタ」していて、悲しくなった思い出があります。笑
今回、そんな失敗を踏まえて、私なりに検証した結果を記事にしてみようと思います。
主剤と硬化剤の比率が大事
2液性エポキシ接着剤は、【主剤】と【硬化剤】の2つの液体を混ぜて使うものです。
混ぜるときの比率が重要で、分量を間違えると硬化不良の原因になります。
『ボンドEセット 100g』の場合、主剤55g、硬化剤45gで梱包されています。
単純に重量比で計算すると、
主剤55g:硬化剤45g=1:0.8181….
となるので、主剤1gに対して、硬化剤0.82gが適量になります。
がしかし!
私の経験から申しますと、この比率で混ぜて使った場合、高確率で硬化不良が発生しました。
オリジナルの混合比を探す
結論から書きますと、混合比を色々変えて実験した結果、『主剤1g:硬化剤0.4g』の割合にすると、カチカチに硬化させることができました。
実際にコーティングしたときの様子
主剤1.5gを測り、
1:0.4の割合にする為、主剤1.5gに対して、硬化剤0.6gを入れました。
尚、使用する容量が多いほど、比率に対する誤差が少なくなるので、多めに作った方が精度は上がります。
主剤1.5gと硬化剤0.6gを混ぜるより、主剤15gと硬化剤6gを混ぜた方が、混合比の誤差が小さいです。
『1:0.4』が絶対とは限らない
ご注意いただきたいのが、『1:0.4』という比率が絶対というわけではありません。
まず私が使っているEセットは、2年前くらいに買ったもので、少し古いです。
経年的なものが、混合比に影響があるかもしれません。
また、部屋の温度、湿度などの作業環境で、硬化具合が変わる可能性があります。
一つ言えることは、『各々の作業環境で混合比が違うかも』ということです。
メーカー推奨値でダメなら、自分たちで硬化する条件を探した方が確実です。
よく混ぜるべし
次に重要なのが、主剤と硬化剤をよく混ぜることです。
主剤と硬化剤は化学反応によって、硬化していくので、混ざっていないと硬化不良の原因になります。
ボンドEセットは粘度があって混ざりにくいので、硬化不良を起こしやすいと思います。
私は爪楊枝と、カットした紙コップを使ってます。
底の部分は、混ざりにくいので、爪楊枝で丁寧に混ぜています。
付属のヘラで混ぜるのが一番手っ取り早く確実ですが、気泡が出来やすいです(^^;
温める!
混ざりやすくするには、熱を加えて柔らかくすると良いです。
例えば、冬の時期なら、混ぜる前に主剤と硬化剤のチューブにファンヒーターの温風を当てるとか、こたつに入れるとか。
私の場合、ヒートガンで温めながら混ぜてます。
混合時の気泡を抜く
粘度が高いと、混合時に気泡が発生しやすいです。
そんな時は、ヒートガンなどで温風をあてると、消すことができます。
温風はドライヤーでも良いのですが、風が強いタイプはホコリも飛ぶので注意です。
あと火力不足だと時間がかかってしまいますね。
さて、Eセットで発生した気泡ですが、、、大き目の気泡は簡単に消えますが、細かいやつは消えづらい感じです。
なので、キレイに仕上げたい場合、気泡が出来ないようによく混ぜましょう。
温め過ぎ注意
注意点として、混ぜて熱を加えると、硬化を促進させてしまうため、過剰反応が起きる場合があります。
過剰反応が起きると有害ガスが発生するので、温め過ぎないよう気を付けてください。
私は何度か白煙が発生してビビりました(^^;;;
なので、換気しながら作業したほうが良いです。
硬化時間、日数
Eセットは混合して90分後から硬化が始まり、ゆっくり硬化が進みます。
完全硬化するには、私の経験上、夏場で3~4日、冬だと1週間くらいかかると思います。
混合比が合ってないと、さらに遅くなると思います。
今回、実際にコーティングして余ったエポキシを観察してみました。
1日経過
硬化はしているが表面はベタベタしていて、指紋が付く状態です。
2日経過
かなり硬化しているが、まだ少しペタペタします。
3日経過
カチカチのプラスチックになり、ペタペタもなくなりました。
今は冬なので、完全硬化まではもう少し掛かると思います。
実験あるのみ!
以上、私なりに実験してきた結果をご報告しました。
Eセットは慣れるまで時間が必要ですが、扱えるようになるとエポキシの特性を生かした、ツヤのある強いコーティングが出来ます。
下のルアーは、全部Eセットでコーティングしました。
内部に気泡が少し残ってますが、ツルツル、カチカチで全然問題ない仕上がりです。
Eセットで苦労している方、頑張ってオリジナルの混合条件を探してみてください。
苦労は無駄にならないと思います!